先日ITパスポートの試験を受け、多分合格したので紹介したいと思います。
ITパスポートとは?
ITパスポート試験(略してIパス)は、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
情報処理推進機構(IPA)が実施しています。
国家資格なんですねぇ。あまり意識せずに取り組んでいました。
情報化が進み、今やITと無縁な人はほとんどいないでしょう。
仕事でITに関わる中で必須とされる基礎的な知識が証明できる試験になります。
反対にいうと高度に専門的な内容はこの試験では取り扱わないということですね。
私が実際に受けてみた感想としては比較的簡単な試験だと思いました。
1か月間きちんと勉強すれば難なく取得することができると思います。
既に基礎的な知識がある人なんかは1週間でも取れそう。
イメージとしては自動車運転免許試験のIT版くらいの難易度でしょう。
政府的には「日本人てこんなにITの基礎レベル高いの?スゲー」って言われたいみたい。
本当は全国民に取ってもらいたいんだと思います。
ITパスポートの試験の内容は?
ITパスポートと聞くと「ハードウェアやソフトウェアみたいな電子機器についての問題が出るの?」と思う人がいるかもしれませんが、実はそうではありません。
実際の出題範囲を見ていきましょう。以下が試験範囲のURLです。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_13download/youkou_ver4_6.pdf
「うわ、めちゃいっぱいある」と思いますよね。
ただいずれも基礎的な内容が問われ、広く浅くといった感じです。
問題数は全部で100問あり、試験時間は120分あります。
分野は「ストラテジ」「マネジメント」「テクノロジ」の三つに分かれます。
①ストラテジ系
ここで問われるのはITというよりも企業についてです。
企業の組織形態や職能(役割の種類)の他、経営者の視点からITをどう活用していくのかなど俯瞰的な視点をもってを勉強していくことになります。「組織」に注目した分野です。
例えば
- 経営理念やビジョン
- 組織形態(事業部制、職能別制など)
- 会計
- 法務
- 経営戦略
- システム戦略
などがあります。「こんなの勉強する必要があるんかいな」と思うかもしれませんが、先ほど書いた通りITパスポートはITを企業活動に取り入れる基礎的能力を測るための試験です。そのためいくらITに詳しくても企業の仕組みを理解していないとITを応用できません。
「企業の知識」+「ITの知識」=「実務でITを適用する力」
と考えると、企業に関する知識も測る必要があるということになります。
また問題数も100問中35問で多くなっています。受ける際は必ず勉強するようにしましょう。
②マネジメント系
ここでは企業の中でも一つのチームやプロジェクトに注目して、その中でどのように他者と関わりながら実務にITを取り入れるのかが問われます。「人」に注目した分野です。
例えば
- 開発技術と開発工程
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
- 設備の管理
などがあり、全体の内20問ほどがこの分野になります。
①では企業全体の知識が問われましたが、②では範囲をもう少し絞って一つのチームやプロジェクト単位でITが関わる仕事をする際に必要となる知識が問われます。
例えば営業部の顧客管理に使用するシステムを新たに導入するプロジェクトがあったとします。登場人物としては経営者、営業部、情報システム部、ベンダー(実際にシステムを作る業者)などがあり、それぞれがプロジェクトのどの段階でどのような役割を果たしているのかを学びます。
③テクノロジ系
ここでは実務でITを利用する上で必要となるIT技術に関する知識が問われます。
ITパスポートと聞いて一番に想像するのはこの分野でしょう。「技術」に注目した分野です。
例えば
- コンピューター言語
- コンピューターシステム(ハードウェア・ソフトウェア)
- データベース
- ネットワーク・通信技術
- 情報セキュリティ
などがあります。
全体の内40問近くがこれにあたります。
実務のことを知っていてもIT用語やシステムの全体像、通信規格などを知らないとビジネスで会話が成り立たないなんてことがあります。スムーズにコミュニケーションする為にもこの分野の知識は必須といえます。
試験の場所や方式は?
試験会場は全国にあり、都道府県によっては複数個所ある県もあります。
お近くの試験会場を調べてみて下さい。
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/excel/kaijyo.pdf
試験方式はCBT(Computer Based Testing)方式というパソコンを使った方式になります。
問題は全て選択方式(四択)で、記述問題などはありません。
試験の中には計算問題などもあるので紙とシャーペンを使うことはありますが、回答は全てパソコンの画面上で選択することになります。(キーボードは受験者情報の入力以外では使いません。)
因みに紙とシャーペンは試験官から貸し出しされます。(私物は使えません。)
問題は全部で100題あり、試験時間は120分になります。
分野はそれぞれストラテジ35問、マネジメント31問、テクノロジ44問となっています。
ITパスポートの勉強法!
①まずは書籍ですべての範囲を通しで勉強!
まずは試験の形式通り広く浅く知識を吸収していくことになります。
おすすめのテキストはこちら!
値段は1700円程度ですべての範囲をカバーしているのでかなりお得だと思います。
500ページ近くあるので気が遠くなりそうですが、ページ当たりの文字数は少ないのでスイスイと読み進めることができます。ちなみに僕は一週間ほどで読み終えました。
②本番形式で過去問を実施
実はITパスポートの公式ホームページで実際のソフトを使って過去問を解くことができます。
以下のページからダウンロードできます。
採点も自動で行われ、間違った問題をチェックすることができるので効率もいいです。
③解説サイトで間違えた問題をチェック
以下の「ITパスポート試験ドットコム」がおすすめです。
また過去問を個別に解きたい人や分野別に解きたい人はこのサイトを利用してください。
過去問を実施して間違えた問題はこの解説サイトで必ずチェックするようにしましょう。
正解までの道筋や用語の解説が載っています。
また間違えた問題だけではなく、なんとなく答えてあっていた問題や選択する上で自信がなかった問題も含めてチェックするようにしましょう。
④用語解説サイトで用語をチェック
用語解説なら以下の『「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典』がおすすめです。平易な内容で書かれています。
間違えた問題や意味が分からない選択肢などは必ずこのサイトで検索しましょう。
全体の流れとしては、まず①教科書に取り組んだ後、②過去問に取り組みつつ③と④のサイトで知識を補っていくというのが良いと思います。
どれくらいやるかは人によると思いますが、僕は6回分くらい過去問をやりました。
主は何点取ったの? 試験のコツは?
僕の受験結果を発表すると
総合 | 915点/1000点 |
ストラテジ系 | 945点/1000点 |
マネジメント系 | 875点/1000点 |
テクノロジ系 | 865点/1000点 |
個人的には結構よかったと思います。
しかし先ほど書いた通りITパスポートは自動車運転免許のIT版のようなイメージです。
業務に携わる上で基本的にはすべて理解する必要があります。そのため1割近く落としているという事実も忘れてはいけません。
またITの技術は日々進歩するもので、当然知識も日々更新していかなければいけません。
ですから一度取得して満足せず、常に知識をアップデートするという意識も持たなければいけないと思います。
試験のコツは前段の勉強をしていれば特別必要ないと思います。
しかしITパスポートはトレンドに合わせた内容(最近でいえばセキュリティ・知的財産など)が出てくるため、教科書に載っていない知らない知識が出てくることも想定されます。
僕自身も試験中に初めて見た単語が出てきて焦りました。
そのため問題文を熟読して何が問われているのかは入念にチェックしましょう。
流れ作業で答えていくのは要注意です。
終わりに
今回はITパスポートについて書きました。
ITパスポート試験は決して難易度の高い試験ではありません。
しかし一言にITといってもハードウェア、ソフトウェア、電子回路、プログラム、ネットワークなどなど様々な分野があり、一部の領域で専門的であっても他の領域を全く知らないと自分の能力も最大限発揮することは難しいでしょう。
IT領域の全体像を掴むためにもITパスポートは極めて有効だと思います。
職種によらずITの知識は必須となります。
まずはITの世界の全体像を学んでみてはいかがでしょうか。
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